La préfecture (プレフェクチュール)というのは県庁のことです。
県庁と一口に言っても、日本とは国の組織、地方行政の組織作りが多少違うので、 日本における県庁の存在、役割とは少し違うかと思います。
フランスの県知事さんは、日本のように選挙で選ばれるのではなく、中央行政から派遣されてくる超高級官僚のようなポジションです。フランスの中央行政の支部のような役割を担うのがフランスの県庁です。
フランス人にとって県庁といえば、まず頭に思い浮かぶのは車両登録証を発行する役所だということ。車関係をどけてしまえば、一般のフランス人にはあまり用のない役所と言えます。車の運転をしない人には「県庁には行ったことがない。」という人も多いのです。
方や!!!フランスに滞在する外国人にとっては無視することができない存在が、この県庁なのです。
フランスに三ヶ月以上の滞在する場合、日本を出国する前にフランスのビザを取得してこなければなりませんが、一旦フランスの地についたら、そこからはこの県庁のお世話になるのです。
どこの国でもそうだとは思いますが、フランスに滞在する日本人の皆さんが、それぞれに「県庁あるあるネタ」をいくつも抱えていることと思います。
2002年にフランスにやってきた私がお世話になっているのは、ここ。
エロー県の県庁です。
モンペリエ市の中心街であるCentre villeの真ん中にありますが、私自身も、フランス入国以来、何度足を運んだことか。
なんといっても難関は滞在の初期にあります。フランスに着いたばかりでは、誰もがフランス語もつたない状態。気も重く、ドキドキしながら、勇気を振り絞って向かう場所。
フランス入国時にすでにフランス人の結婚相手やパートナーがいる人は、大いにサポートやフォローしてもらえていると思うので、全然経験談が違ってくると思いますが、片言のフランス語で一人県庁に向かう気持ちは、経験者のみんなが「それそれ、自分の時もこうだった、わかるわー。」と共感しあえるものだと思います。どれだけチェックしてもどこか自信がないまま必要書類をそろえて、ドキドキしながら向かう、苦い思い出のある場所といえるでしょう。
なんといっても、私たちにとっての壁はフランス語の問題だけではないのです!
なんだかはっきりしない手続き方法、なんだかはっきりしない必要書類、なんだかはっきりしない○○ばかりなうえに、やるきのない担当者、高圧的な担当者と対峙することになります。もちろん、こっちだって別に招かれて来たわけではない外国人の身ということはわかっています。日本の外国人受け入れ態勢が何十倍も劣悪だということも承知です。でも行政やらお店などの「窓口」と呼ばれる場所では、「丁寧に」扱ってもらったことしかない日本人には、経験のない処遇であって、これは試練でしかないのです。しかもふたを開けてみれば言うことは人によって違う。日本人にとったら「なんだそりゃ!」とツッコミどころ満載。
私にとっては10年ぶりの更新だったので、諸手続きのオンライン化など、世の流れも変わり、移民政策などの姿勢も変わったなかでの、久しぶりの県庁行きとなりました。
向こうがどういう態度か、どう出てくるかというのは、だいたい予想がついているので、心の準備という面では経験が功を奏しますが、相手はやっぱり県庁です。心穏やかに、つつがなく手続きが完了するなんてわけがありません。経験値からくる余裕のおかげで、笑い話にできますが、今回も相手側は期待以上の態度で来てくれました(笑)。
いろいろとネタもあることですし、フランス滞在に関する行政ネタをまた追ってお伝えしたいと思います。
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